Subject:
「カフネ」の意味
From:
北野高校図書館メルマガー本の森 <kitano-hon@ml.osaka-c.ed.jp>
Date:
2025/04/15 15:46
To:
北野高校図書館メルマガ投稿先 <kitano-hon@ml.osaka-c.ed.jp>

新学期最初の1週間が終わり、
少し新しい学年の雰囲気もつかめてきましたか。

前のメルマガでは
今年の本屋大賞受賞「カフネ」を
紹介しました。

ところで「カフネ」とは何か知っていますか?
その意味を取り上げた
天声人語の記事を紹介します。
途中に出てくる「翻訳できない世界のことば」
【801/S11/1】も図書館にありますよ。

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[天声人語]「カフネ」に込めた思い
2025/4/11 (金) 

 日本語が堪能な豪州の学者から「桜吹雪」という言葉の魅力を熱く語られたことがある。いわく、乱れ散る花びらが詩的に表現され、音の響きも美しい。春の花を雪に例えることが疑問だったが、実際に見たらその通りだったと。なんと短く雄弁な言葉だろう▼世界には一言で多くを語る言葉が多数ある。桜のように、その土地の人々にとって大切な存在と結びついている。例えば、フィンランド語の「ポロンクセマ」は「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」で、約7・5キロだという▼アラビア語で「日が暮れたあと遅くまで夜更かしして、友達と楽しく過ごすこと」、イヌイット語で「だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること」を指す言葉もある(『翻訳できない世界のことば』)▼では『カフネ』とは何か。第22回本屋大賞を受賞した阿部暁子さんの小説の題名である。主人公らが働く家事代行サービスの社名なのだが、ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草(しぐさ)」だと文中で説明されている▼未知の響きにひかれて調べると、ブラジルで使う独特の言葉だった。植民地時代、ブラジルにはアフリカから何百万人もが奴隷として連れてこられ、サトウキビ農園で働かされた。カフネの語源は西アフリカのヨルバ語とされる▼痛みを分かち、心を落ち着かせる。そんな言葉だったのだろうか。小説の最後でも、社名を超えた意味を持つ。カフネは静かに、雄弁に語りかける。